森田 俊の部分的に真であり、部分的に偽

モノゴトは六面体。当たり前に見えるモノ。少し視点をずらすと見えるモノ。背景を探すと見えるモノに俯瞰すると見えるモノ。そして、絶対に見えないモノ。

未来は予測可能か?

先日、次のような「問い」を見たときにふと思ったのだが、この問題の正解は一体何なのだろうか?

f:id:morita-shun:20150305214327j:plain

 

我々が生きている世界は非常に複雑だ。だが、この複雑な世界で起きている事象には全て理由があるとする考え方がある。これは「仏教」である。

「仏教」では、世の中で起きている現象には全て法則(原因と結果)があると考える。

そして、修行を積むことで誰でもこの法則が理解できるとする。
修行を積み、解脱する領域に達すれば、誰でもこの法則が理解できるようになるのだ。

だが、寒い冬に冷たい滝に打たれたり、暑い夏に火の粉をかぶるような苦行は皆ができる訳ではない。

では、我々のような一般人がこの世界を理解するためにはどうすれば良いのだろうか?

 

この世界を理解するためには、世界は「3つの階層構造」になっていると思えば良い。そう、クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」のような世界だ。(この映画は私は大好きである)


第1階層は、自然科学の世界だ。
この世界では、自然科学の法則が適用される、原因と結果が明らかな世界である。
リンゴを落とせば「万有引力の法則」により、地面に落ちるといったように全ての事象については、原因と結果が明らかにされる。


第2階層は、確率の世界だ。
宝くじやパチンコ、競馬のようなギャンブルが分かりやすいが生命保険もこの世界の代表的なものだ。(生命保険はギャンブルである)

生命保険に加入している人は、自分が死ぬ確率にお金をかけているのと同じである。
ただし、通常のくじでは「あたり」が出るとうれしいが、生命保険の場合は当たってもちっともうれしくない。(ただし、受取人がどう思うかは知らない)

 

第3階層は、カオスの世界だ。
この世界においては、過去から未来を予測することは不可能でありカオスな世界だ。代表的なものは、株価や為替である。古くはブラックマンデーの株価大暴落、最近ではスイスフランの高騰が発生したが、誰も事前に予測することはできなかった。


ではこのような世界を我々はどう生きれば良いのか?


実はそんなうまい方法はない。ただし、気をつけると良いことが一つだけある。
それは、「異なった階層のルールを異なった階層に適用しないこと」である。

・過去の株価の動きを分析して未来の株価を予測する

STAP細胞はできる時とできない時があると主張する。(成功する確率を論じる)
ことがいかにおかしいかが分かるだろう。

 

さて、ここでもう一度最初の「問い」を考えてみよう。はたして、この「問い」はどの階層のルールで答えを導き出せば良いのだろうか?

皆さんも考えてみて欲しい。